著書「奇跡を呼ぶレストランサービス」を出版するにあたり

私にとってこの本の出版は、30年のフランス料理のサービス人生における集大成です。

20歳で都ホテルに入り、レストランで働くということを覚えました。
コーヒーショップでは、1日200杯コーヒーを出し、スパゲティ”ミートボール”やステーキ重、生姜焼き定食等々。バイキングのレストランでは、朝早く起きる癖を身につけました。
お客様から「ここは空気がいいんだよね~」と言われるほど、働くスタッフの方々が良く、先輩方に恵まれ、楽しく思いっきり毎日を過ごしながら、社会人としてのスタートを切りました。また運命のサービス人、金子龍彦支配人に出会いました。

次に私が選んだ職場は、タイユヴァン・ロブション。本物の世界一のフランス料理に出会いました。
最初はビクビクの毎日でした。失敗もたくさんし、少しずつ成長していきました。
圧巻のワインリスト、20世紀最高の料理、それを目掛けていらっしゃるお客様に囲まれ、パリ本店への研修にも恵まれました。モーリス ギルウエットシェフ、河野 透シェフ、ミシェル ドレピンヌさん、山地 誠さん、尾崎 徹さん、若林 英司さんはじめ、素晴らしい方々との出会いもありました。デクパージュの完成形を会得し、コンクールへの挑戦も始めました。ワインや語学の勉強もしました。とても素晴らしい環境の中で仕事させていただきました。
結婚もし、子供も授かりました。現在の私があるのはこのお店のおかげです。心から感謝しています。

3つ目の職場は、タテル ヨシノ、吉野シェフによるフランス人よりフランス文化を大切にされた料理店です。サービスのオペレーションなど、一から自分で作り上げてきた自負もあります。
フランス大使館など出張も経験し、サービスコンクールで結果を出せるまでになりました。その協会の仕事や、外のお店のサービスの監修業務も始まりました。
同じ業界や全く違う業界で活躍する、以前共に働いた弟子たちも増えてきました。
食べ歩くうちに蓄積されてきた、料理屋の感覚や現場でのさまざまな経験を活かし、更なるサービス人道を切り開き、追求して参りたいと思っています。

この本は、タテルヨシノ銀座の濱田マネージャーの一言から始まりました。今までお世話になった全ての方々とフランス料理の業界の発展のため、感謝と恩返しの意味を込めて、楽しんでお読みいただければと思います。
これからフランス料理のサービス人を目指す貴兄には、私より少し幸せな人生を送っていただきたいと、心から思っています。